在宅高齢者を脱水・熱中症から守る見守りのコツ
夏の暑さがやわらいでも、残暑が続く時期は在宅療養中の高齢者にとって脱水や熱中症のリスクが高い季節です。ご家族が同居されているご家庭では「どのタイミングで声をかければよいのか」「水分補給はどれくらい必要なのか」と悩まれることも少なくありません。今回は、訪問診療・訪問リハビリの現場で見られる室温管理や水分補給の工夫をもとに、ご家族が日常生活の中で実践しやすいポイントをまとめました。
残暑の時期に気をつけたい高齢者の脱水・熱中症
高齢になると体内の水分量が若い頃に比べて少なくなり、暑さやのどの渇きを感じにくくなる傾向があるといわれています。そのため本人が「大丈夫」と感じていても、実際には水分が不足していることがあります。また、慢性心不全などで水分摂取量に配慮が必要な方もいらっしゃるため、一律に「たくさん飲めばよい」というものでもなく、日頃の状態に応じた見守りが大切です。
室温管理で意識したいポイント
訪問診療やご自宅を伺う中で、エアコンを控えめに使用されているご家庭を目にすることがあります。節電への配慮や「涼しすぎるのが苦手」という声もありますが、室温がこもりやすい部屋では体調への影響が心配されます。以下のような点を意識してみてください。
- 日中はエアコンや扇風機を活用し、室温・湿度がこもりすぎないよう調整する
- 温度計・湿度計を部屋に置き、体感だけに頼らず数値で確認する
- 直射日光が当たる部屋はカーテンやすだれで工夫する
- 就寝中もタイマー任せにせず、夜間の室温変化に注意する
訪問リハビリの際にも、居室の環境が体調管理に影響しやすいことを踏まえ、日常生活動作の様子とあわせて室内環境を確認させていただくことがあります。
水分補給を無理なく続ける工夫
「のどが渇いてから飲む」のではなく、時間を決めてこまめに水分を摂る習慣づくりが有用とされています。ご家族が声をかけるタイミングを日課に組み込むと、無理なく続けやすくなります。
- 起床後・食事の前後・入浴前後など、生活の節目で水分を勧める
- 汁物やゼリー、果物など水分を多く含む食品も活用する
- 発汗が多い時期は経口補水液の利用を検討する場合もあるが、持病により摂取量の配慮が必要な方もいるため、量や種類については主治医に確認する
特に心不全の管理を継続されている方は、水分摂取量が体調に影響することがあるため、自己判断で大きく増減せず、担当医や訪問診療のスタッフと相談しながら進めることをおすすめします。
こんな様子が見られたら医師に相談を
次のような様子が見られる場合は、我慢せず早めに医療機関へ相談することが望ましいとされています。
- ぐったりして反応が鈍い、いつもより元気がない
- 皮膚や口の中が乾燥している、尿の回数や量が普段より少ない
- めまい・立ちくらみ・強いだるさを訴える
- むくみや息苦しさなど、心不全に関連する症状の変化がある
症状の程度や背景となる持病はお一人おひとり異なりますので、少しでも気になる変化があれば、自己判断せず医師にご相談ください。
まとめ
在宅療養中の高齢者を脱水・熱中症から守るためには、室温管理と無理のない水分補給を日常生活の中で継続することが大切です。ご家族だけで抱え込まず、訪問診療や訪問リハビリのスタッフと日頃の様子を共有しながら見守っていくことも一つの方法です。厚生クリニックでは、外来診療に加えて訪問診療・訪問リハビリ、居宅介護支援事業所を通じて、地域の在宅療養を支える体制を整えています。体調面でご不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。
また、訪問診療・在宅医療の現場で共に働く医師・看護師・リハビリ職・ケアマネジャー・医療事務の方も募集しております。ご興味のある方は採用情報をご覧ください。
ご相談・ご予約はお電話またはプロフィールのリンクからお願いいたします。
