院長ブログ
なんで骨が溶けるの? 骨粗鬆症の原因と治療
骨粗鬆症とは何か
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、「骨の強さ」が弱くなり、骨折のリスクが高まる状態を指します。骨は常に新しい骨を作る「骨形成」と、古くなった骨を壊す「骨吸収」がバランスを保ちながらリモデリングされており、このバランスが崩れると骨量(骨密度)が減少して「骨がスカスカ」になってしまいます。
なんで骨が「溶ける」のか?
- カルシウム不足
血中カルシウム濃度が低下すると、人間の体は骨を分解することで補おうとします。 - ビタミン D の不足
ビタミン D が不足すると、小腸でのカルシウム吸収率が下がります。 - 女性ホルモン(エストロゲン)の減少(特に閉経後)
エストロゲンには骨吸収を抑制し、骨形成を助ける作用があります。閉経するとエストロゲンの分泌が減るため、骨吸収が促進され骨量が急速に減少する時期があります。
骨がどこから「溶けて」いくのか
骨粗鬆症で特に影響を受けやすい部位は、「背骨」と「脚の付け根」です。
- 椎骨(背骨):椎体の圧迫骨折が起きやすく、背中が丸くなったり、身長が縮んだりする原因になります。
- 大腿骨頸部(脚の付け根):転倒時に大腿部を骨折しやすく、その後の歩行能力低下などが重く影響することがあります。
骨粗鬆症が進行すると、ちょっとした転倒、尻もち、手をついて転んだ、咳やくしゃみといった小さな衝撃で骨折してしまうことがあります。
特に背骨や脚の付け根の骨折は介護や寝たきりの原因となることもあります。

「早期発見と治療が大事」な理由
骨粗鬆症の特徴として、初期にはほぼ症状がないことが多いため、なかなか気づくことができないという点があります。
症状や骨折が起きてから治療を始めると、回復までに時間がかかる・完全には元に戻らないこともあります。しかし、早期に検査を行い、治療を始めれば骨密度の低下を抑える、あるいは改善させることが可能です。
つまり、早期発見・早期治療が重要です。
どうやって治すの?
| 治療法 | 内容 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 薬物療法 | 破骨細胞を抑える薬、骨形成を促す薬、また両方の作用を持つ薬など。 | 骨密度の維持または改善、骨折予防効果が科学的に証明されている。大腿骨骨折・椎骨骨折の発生率を下げる。 | 副作用のモニタリングが必要。薬の継続が大事。 |
| 食事・栄養 | カルシウム、ビタミン Dなどを十分に摂る。日光浴でビタミン D を生成。 | 骨の材料を供給し、代謝を助ける。副作用がない。 | 食事だけで必要量が取れないこともある。サプリメントを使う際は医師と相談。 |
| 運動療法 | 抵抗運動(筋力トレーニング)、負荷をかける運動、歩行・体重を支える運動など。 | 骨に物理的な刺激を与えることで骨強度を促進。転倒予防にも有効。 | 運動方法を誤ると怪我の原因に。高リスクの方は医師・理学療法士指導のもとで。 |
| ホルモン療法・その他薬剤 | 閉経後女性でエストロゲン補充療法、副甲状腺ホルモン薬、抗スクレロスチン抗体、抗RANKL抗体など。 | 特定の薬剤は骨折予防効果が高く、薬の種類によっては骨形成促進も期待できる。 | 副作用の管理が必要。治療期間には限度(例:副甲状腺ホルモン薬は使用期間に上限あり) |
また、2025年7月には「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」が10年ぶりに改訂されました。
骨粗鬆症に対する治療方法も日進月歩で進歩しています。
まずはご相談ください
治療を始めるためには、診断が欠かせません。
骨密度検査や血液検査などで治療の必要性を医師が判断します。
当クリニックでは、骨粗鬆症の薬物治療が行えます。
薬物治療の経験のある整形外科医が最新の知見を活かして丁寧に対応します。
まずはお気軽にご相談ください!
